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  • 2008.04.17 Thursday
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◇50・《 江戸時代の青春小説(2) 》

大人になりかけた青年が試練に立ち向かう


浅黄斑 
無茶の勘兵衛 2
火蛾の舞
二見時代小説文庫
2006年11月25日出版


火蛾の舞―無茶の勘兵衛日月録〈2〉 (二見時代小説文庫)
火蛾の舞―無茶の勘兵衛日月録〈2〉 (二見時代小説文庫)浅黄 斑


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★★★★☆


「作家」

推理小説家が時代小説を書くと、どうしても捕物帳などの謎解き話になりがちですが、浅黄斑の書く時代小説は違いました。本書は、教養時代小説とも自己形成小説ともうたってある通り、若き武士が成長してしく姿を追った小説。時代小説と青春小説に推理小説の要素を加えたような作品です。推理小説では収まりきれなかった浅黄斑の筆力が垣間見れる作品でした。


「あらすじ」

お家騒動もようやく解決。落合家の家督を継いだばかりの「無茶勘」こと落合勘兵衛は、落ち着いた日々を送りながらも、どこか寂しさを感じていた。友が続々と江戸へ出仕し、どこか取り残されたような気がしていたのだった。
だが、そんな勘兵衛に突然江戸行きの命がくだる。喜びを隠しきれない勘兵衛だったのだが、江戸で待っていたのは、陰謀と剣呑な日々であった。


「感想・解説」

前作より少し大人になった勘兵衛が江戸で大活躍といいたいところですが、残念ながら他の作品の主人公よりも若さが目だってしまいます。しかしながら、その若さが本書の魅力。ストーリーを追ううちに、徐々に成長する勘兵衛の姿を見るという青春小説ならでは面白さが味わえました。時代小説と青春小説、2つが見事に組み合わさった本作が、面白くないわけありません。

時代小説ファンだけでなく、現代小説ファンにも楽しめる作品でした。



◇41・《 江戸時代の捕物帳(11) 》

女には負けるが悪には負けない


押川国秋 
呉服橋同心
下郎の首
廣済堂文庫
2006年7月20日


下郎の首-呉服橋同心
下郎の首-呉服橋同心押川 國秋


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★★☆☆☆


「作家」

「遠山の金さん」や「人形左七捕物帳」など、日本のテレビ史に残る時代劇の脚本家だった押川国秋。以前にも紹介しましたが、本当に脚本家出身の時代小説作家は多いです。時代小説作家になるには、脚本家になるのが近道なのかもしれません。といっても脚本家になる方が難しそうです。


「あらすじ」

かつて、美男子の同心として名前が知られていた剣持平左衛門だったのだが、今はもう50過ぎ。若き日の美貌と、心意気を完全になくして、恋に悶々とする日々を送っていた。

父の情けない姿を見て育った息子・孝四郎は、父とは正反対の堅物に成長していった。
そんな、水と油の親子だが、江戸の街を守りたいという気持ちは同じ。反発しつつも、一緒に悪に立ち向かうのだった。


「感想・解説」

押川国秋の小説は、女性問題を抱えながら、何かとウジウジな悩む主人公が出てくることが多いのですが、本作も同様。剣持平左衛門に対して、はっきりしろ。武士をやめてしまえと突っ込んでしまいたくなりました。個人的には、武士らしいはっきりとした性格の主人公が好きなので、多少不満の残る作品でした。



◇36・《 江戸時代の捕物帳(10) 》

日ごろ虐げられている養子が立ち上がる

笛吹明生 
退屈御家人気質
悪人釣り
学研M文庫
2004年5月20日出版


悪人釣り―退屈御家人気質 (学研M文庫)
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★★★☆☆


「作家」

笛吹と書いて「うすい」と読む、なかなかの珍名さんです。時代小説の作家は、苗字はオーソドックで読みやすく、名前が古風。というパターンが多いのですが、笛吹明生例外。珍しいタイプの作家名です。

笛吹というのは、読みにくい苗字としてある程度知られているのですが、本屋によっては、ふ行に並んでいることもあるので、笛吹明生の本を購入するときには、気を付けた方がいいでしょう。


「あらすじ」

120石の旗本・速水家の当主源二郎は、一刀流の使い手と知られる俊英だった。しかし、源二郎は、肩身の狭い養子の身。今日も義母の命令で、猫のえさとなる小魚を釣るために川へと出かけるのだった。
淡々とした、つまらない毎日を送る源二郎だったのだが、道場でともに学んだ剣友が何者かに殺され、その事件を追い始めたことから、剣呑な毎日を送ることになってしまった。


「感想」

剣の達人が孤軍奮闘で事件の謎追うというよくある物語です。また、その主人公を老人が助けるというのもよくある話で、老人に実在する有名人を持ってくるのがパターンとなっています。本書は、その例に漏れず源二郎は、一刀流の使い手。老人に美濃苧大垣藩当主で、老中を務めた戸田氏教を持ってきています。

どちらかといえば、コメディータッチで描かれていくストーリーとオーソドックな設定で安心して読める小説となっています。気楽な雰囲気で楽しんでください。



◇34・《 江戸時代の捕物帳(9) 》

有望な女流作家のデビュー2作目


三宅登茂子 
小検使 結城左内
山雨の寺
双葉文庫
2006年7月20日


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★★★☆☆


「作家」

 時代小説作家では、珍しい京都府出身という三宅登茂子。山村正夫記念小説講座で創作を学び、作家になったという珍しい経歴の持ち主です。時代小説は、推理小説のようにたくさんの賞があるわけではないので、デビュー方法は色々あるのですが、講座で学んで作家になったというのは、珍しいといえます。


「あらすじ」

 時の寺社奉行松平宗発の家臣、結城左内は、悪の限りを尽くす坊主超顕を追って箱根までやってきた。左近は、箱根で突然の雷雨に見舞われ、古寺に駆け込み雨を凌ぐことになった。その古寺で、昔に起きた不思議な聞くことになった左近。江戸に帰った後、超顕とそして井伊家に絡む大騒動に巻き込まれていく。


「感想・解説」

 武士が事件の謎を解くという、オーソドックスな捕物帳となっている作品だったため、安心して楽しむことができました。ただ、もうちょっと特徴があった方がもう少し面白かったはずです。その辺が残念でした。



◇33・《 江戸時代の青春小説(1) 》

推理作家が書いた渾身の教養時代小説

浅黄斑 
無茶の勘兵衛 1
山峡の城
二見時代小説文庫
2006年5月25日出版


山峡の城―無茶の勘兵衛日月録
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★★★★☆


「作家」

時代小説作家としての浅黄斑は、本作が初体験だったのですが、推理作家としての浅黄斑は以前から好んで読んだ作家の一人でした。「富士五湖まぼろしの柩」や「霧の悲劇」などは、小説で楽しむだけでなく、ドラマでも見た記憶があるほどです。本作は、人気推理作家浅黄斑の時代小説デビュー2作目だそうで、期待と同時に不安いっぱいの読書となりました。読み終わった後の感想は、後ほどご紹介します。


「あらすじ」

少年・落合勘兵衛のあだ名は「無茶勘」。2年に一度、越前大野藩を騒がす騒動を起こすことからそのあだ名が付いたのだった。そんな少年・勘兵衛も元服。大人の一歩を踏み出したその時、大野藩に権力争いの暗い影が忍び寄っていた。
落合家の家禄は70石。少石過ぎて、争いとは関係ないように見えていたのだったのだが、実は、勘兵衛の父も騒動に巻き込まれていたのだった。


「感想・解説」

浅黄斑の推理小説ファンだった自分は、時代小説を書くことに懐疑的だったのですが、本作を読んで安心。たちまち、時代小説作家浅黄斑のファンになってしまいました。

本書は、勘兵衛の成長していく姿を描いた第一巻。本書で少し大人になった勘兵衛が、これからどのような大人に成長していくのか楽しみです。



◇21・《 戦国時代の剣豪小説(1) 》

剣聖の若き日の姿を描く


牧秀彦 
流転の剣聖・林崎重信
抜刀秘伝抄
学研M文庫
2002年6月17日出版

★★☆☆☆

「作家」


 牧秀彦は、物語の中だけでなく、実際の居合を学んで4段を持っているそうです。剣道や柔道などの有段者は珍しくはないのですが、居合を学んでいる人の作品は初めて。今までにない体験でした。また、牧秀彦は、居合の愛好者というだけでなく、剣術全般に愛着心を持っているようで、コラムや専門書にも執筆を行っているようです。



「あらすじ」

 後に剣聖とうたわれ、林崎無想流を開設する林崎重信の若き日の姿を描いた物語。
 時は元亀3年。信長包囲網が築かれ、天下の形勢が再び混沌としてきた時代。林崎重信は、一人伊勢の地を訪れていた。彼の目的は、塚原卜伝から「一の太刀」を伝えられた北畠具教から卜伝の真意を伝えてもらうことだった。しかし、時は戦国の世。剣一筋に世の中歩むのは難しい時代。林崎重信も乱世に巻き込まれてしまうのだった。
 


「感想」

 実在の人物を主人公にした物語は、今までもたくさん読んできましたが、この本ほど人間味溢れる作品は初めてでした。実在の剣豪を主人公にすると、どうしても人間離れした超人に描かれることが多いのですが、恋に悩んだり、人間関係に悩んだりする姿が描かれていきます。本物の林崎重信は本作のような人だったのではないかと思うくらいでした。 また、この作品は続編も出版されているようなので、是非続きを読んでみたいと思います。



◇20・《 江戸時代のお家騒動物(1) 》

普段は植木屋。 でもその正体は?



乾荘次郎
隠し目付 植木屋陣蔵
学研M文庫
2006年7月19日出版

★★☆☆☆

「作家」


 最近推理小説などでは、学生の間に作家デビューする人が増えてきていますが、時代小説の作家では、ほどんどいないのが現状です。本書の作家、乾荘次郎も映画評論家出身という珍しい経歴ですが、きちんとした社会経験の持ち主。時代小説には、社会経験を積んで、人間の機微というものが分かってないと書けないものかもしれません。



「あらすじ」

 江戸の町で暮す陣蔵は、普通の町人として植木屋を営んでいた。しかし、彼には裏の顔があった。それは、近江水尾藩主直属の隠し目付け。江戸の町で勤番者の動向や幕府の情報を探る役目を持っていたのだった。
 徳川幕府も安定し、隠し目付けの役割も有名無実になりつつあり、陣蔵も植木屋の仕事に性を出す毎日を送っていた。だが、そんな陣蔵に、藩主が拉致された上に藩主の弟まで行方不明になっているとの情報が飛び込んできた。陣蔵は、さっそく植木屋の仮面を脱ぎ捨て、探索に乗り出すのだった。


「感想」

 物語の主人公が町人に扮した目付けというのは、多少目新しいのですが、物語自体は、お家騒動というオーソドックスなものでした。しかし、それがこの本の魅力でもあります。時代小説は、他の小説とは違い、マンネリの面白さを楽しむという方法があります。そういった意味で本書は、時代小説の魅力が詰まっているといえます。

◇17・《 江戸時代の人物伝(2) 》

江戸時代きっての剣客の若き姿を描く


高橋三千綱
男谷精一郎の孤独
空の剣
集英社
2004年8月30日出版


★★☆☆☆


「作家」

 高橋三千綱は、時代小説作家というよりも現代物。それも、さまざまな分野の小説で活躍する作家です。また、1974年には群像新人文学賞を1978年には、芥川賞を受賞するなど輝かしい経歴を持っており、今までブログで紹介した作家の中で、一番有名かもしれません。それほどの実績を重ねている作家なのです。


「あらすじ」

 勝海舟の親戚として知られ、剣の達人だった男谷精一郎。講武所の頭取、従五位下総守に叙任など華々しい実績を残した彼の、青年期に迫る物語。
 男谷精一郎が住み込みで、剣や兵学を学んでいた平山塾が幕府の命令で突然閉鎖された。生涯の師とも思い定めていた平山子龍とも会えなくなり、戸惑いを隠せない精一郎は、心を入れ替えるため、江戸を離れた実母に合うため、旅に出ることを決意した。


「感想・解説」

 男谷精一郎の名前は、勝海舟の本や幕末に近い時期の剣豪小説などを読んでいるとよく出てくる名前でした。でも、この本を読むまで、どんな立場の人だったのか、どんな身分の人だったか知りませんでした。
 高橋三千綱自身が資料がないといっているので、本書に出てくる男谷精一郎像は、フィクションなのでしょうが、そんな感じはまったくありませんでした。ただ、若すぎて剣豪という感じがしなかったのが残念でした。是非、続編を望みます。

◇13・《 江戸時代の捕物帳(4) 》

新人作家の捕物帳が登場

早見俊 
はみだし与力無頼帖
菊一輪
学研M文庫
2006年11月28日出版

★★★☆☆


「作家」


 本作でデビュー2作目となる早見俊は、まだ新人の作家。この本を出版した2006年11月当時は、まだ会社員との兼業。本当の新人さんみたいです。デビュー作は文芸社から出版されたとのことですが、自分は読んでいないのでこの本が早見俊との初めての出会い。読んでみるとそこそこ面白かったので、期待の新人の一人となりました。


「あらすじ」

 南町奉行所吟味方与力の風間淳之助は、親子そろって凄腕と知られていた。悪党たちを懲らしめる日々を送っていた淳之助は、ある日父の友人である初老の老人伝兵衛夫婦と息子の亀太郎と出会う。伝兵衛は、大名に使えていたのだが、金銭授受の疑惑を受け浪人していたのだった。伝兵衛一家に好感を持った淳之助が、翌日で再会したのは何者かに殺された伝兵衛の冷たくなった姿だった。
 懸命に犯人を追う淳之助の前に、大名のお家騒動とライバルである与力、兵頭小十郎が立ちはだかった。


「感想・解説」

町奉行所の与力が主人公という本は、藤井邦夫の「秋山久蔵御用控」くらいしか思いつかない珍しい作品です。本当の与力は、奉行所の中にいてあまり表には出てこなかったようなのですが、時代小説では全然オッケー。下っ端の岡っ引きや同心と違って、ちょっと偉い与力というところが物語の味噌となって面白かったです。

◇2・《 江戸時代の捕物帳(1) 》

本日2冊目に紹介する時代小説は、

伊藤桂一
風車の浜吉・捕物綴
病みたる秘剣
学研M文庫
2005年1月21日出版
(1991年6月新潮社出版の再文庫化作品)

★★★★☆


「作家」

この本は、偶然手に取ったので、伊藤桂一という作家についてまったく知りませんでした。今思うとちょっと恥ずかしいことなのですが、新人だと思っていました。

でも、実は大ベテランの作家でした。芸術選奨と吉川英治文学賞などの受賞歴があり、輝かしい実績を持っているんだそうです。なぜ知らなかったのか自分でも不思議に感じてしまうほどでした。また「風車の浜吉・捕物綴」という物語自体も、平幹次郎主演でドラマ化された人気作品。本当に穴があったら入りたい気分です。これからは、しっかりと覚えておきます。

「あらすじ」

風車売りの浜吉は元々岡っ引き。それも凄腕として名前が通っていた。しかし、出来心から金銭で盗人を見逃し、5年間の江戸追放処分を受けていた男だった。
処分が終わり江戸に戻ってきた浜吉は、風車売りになっていた。しかし、岡っ引きとしての感は衰えておらず、事件が起これば犯人追求に駆りだされるのだった。
レギュラー陣は浜吉の他、幼馴染で岡っ引きの喜助。その配下の留造。そして、一緒に暮らすお時とその息子松太郎。


「感想・解説」

300ページ前後の普通サイズの文庫本で、12話に分かれている連作小説は初めて読みました。自分は一気に読み終えたのですが、電車などで読むのには最適。とっても読みやすい作品でした。
また、軍鶏を武器にして戦ったり、主人公の職業が風車売りだったりと今まで読んだ捕物帳にはない設定が多く興味深かったです。

この本の特徴として、浜吉は自分で動かず安楽椅子の探偵を行うということにもあります。普通の岡っ引きは、足を使って犯人を追い詰めるのですが、浜吉は得意の感働きで家にいながら犯人を突き止めることが多く、こちらも新鮮な体験でした。

今年読んだ時代小説の中でも有数の面白さだったので、是非2巻以降も読もうと思っています。このブログでもご紹介することになりそうです。

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